写真=田辺佳子
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理屈をすべて破壊してくれる、なぎ倒していってくれるサウンド
Ampegって決してハイファイなアンプではないし、ローがすごいとは言うけど、そんなにどん底までは出ていないと思う。だけど、バンド・サウンドになったときに、ドラムのキックやギターの音色と混ざったときの倍音の出方が神がかっているんだよね。それは本当にどこにもないサウンド。俺のイメージでは、キックと重なるって感じじゃなく、ドラマーのすべてのキットの間に潤滑剤や接着剤のように、ゼリーのように絡みつく感じがある。
Ampegの魅力といえば、理屈をすべて破壊してくれる、なぎ倒していってくれるサウンドだということかな。伝統的なロック・ベースのサウンドであり、このサウンドのなかでいろんな物語が生まれ、かつ、いまだにそこに宿るオーラが衰えない。やっぱりそれには理由があるよね。“四の五の言ってんじゃねぇよ”っていうパワーをいつも感じるんだ。ロックの歴史がこの音によって作られてきたなかで、“お前はこの音を操れるのか?”って問われているようなね。
ベース・マガジン2020年4月号より抜粋
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