二村学

パワー管に圧がかかっていくことで歪むかどうかの瀬戸際のハリ感、それこそ他に代え難い魅力

ベース・アンプ=Ampegというくらい最大手の一つですのでアマチュア時代から街のスタジオで使っていました。バンド時代は中古で購入したSVT-CLをメインで使い、その後スタジオ・ワークでビンテージSVTやB-15N/S等をレンタルするうちにそれらの匂いを残しながら現代風にブラッシュアップされたSVT-VRにたどり着きました。2020年にはV-4B、PF-500を導入し、状況によって使い分けています。

音色に関してはSVT-VRが自分のサウンドの理想、根幹になっています。今まで参加したレコーディングの9割はこれです。エッジとローの量感の両立が素晴らしく、従ってそれをそのままライブでも使えばいいのですが、様々な現場で扱う場合、一番の魅力でもある1ボリュームだと折角の美味しいポイントまでボリュームを上げられない事が多く……。そういった際はマスター付きの別物ですが、サウンドも比較的ドライで似た印象のV-4Bが向いています。8Ω出しできるところもポイント高いです。100Wでも今の時代の音響では問題ありません。また重量も(VRよりは)軽いのでフリーのプレイヤーにはありがたいです。PF-500はこれらよりもう少しタイトでモダン、所謂PROシリーズとB-15系統のあいのこの印象があり、上記アンプのイメージではない楽曲の際に使用します。真空管ではないのでメンテナンス・フリーでライブ向きでもあると思います。

セッティングについては、EQはフラットから始め、レコーディングの場合は大抵ウルトラ・ローを入れます。そこから楽曲に合わせて調整。ライブの場合は一度に同じ空間で様々な楽器が鳴るため、こちらでは逆にウルトラ・ローは入れず抜けを良くしてバランスをとっていきます。

Ampegの魅力は、まずはパワーアンプが真空管であること。パワー管に圧がかかっていくことで歪むかどうかの瀬戸際のハリ感が出てくるので、これは他には代えられない魅力だと思います。クラスDについてもさすがAmpeg、遜色ありません。加えて、EQのポイントやウルトラ・ローがあること、リイシューものの銀パネのカッコ良さと……魅力を語り出すと枚挙に暇がありません。


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使用機材

 

SVT-VR

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V-4B

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PF-500

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SVT-212AV

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