CLASSIC & SCRAMBLER 川崎哲平レビュー

CLASSIC Analog Bass Preamp
Ampegトーンをコンパクト化したプリアンプ


 


Ampegトーンを300gに凝縮!

3バンドEQとボリューム・コントロールからなるベース用プリアンプ・ペダル。各EQのポイントは以下のとおりです。

◎「ベース」は最大値で低音域を7dBブーストし、同時に40Hzを20dBカット。
◎「ミッド」は最大値で中音域を5dBブーストし、同時に500Hzを11dBカット。
◎「トレブル」は最大値で高音域を10dBブーストし、同時に4kHzを10dBカット。


すべてのツマミは中央値でフラット・サウンドになります。これらに加えて、SVTシリーズでお馴染みのウルトラ・ロー/ハイ・スイッチも搭載。わずか300gと手軽なコンパクト・ペダルにしてSVTサウンドが得られるのは、ベーシストにとって嬉しいポイントでしょう。


インプレッション

本機を通すだけですぐにAmpegサウンドが得られます。しかも過度な変化ではなく、Ampegらしいゴリっとした部分が自然と出てくる。その辺りのチューニングがすごくうまく作られていると感じました。

各ツマミの変化は非常にナチュラルなので細かい音作りにも対応できます。上述した通り、ブーストと同時にカットされる帯域もある点は特筆すべきでしょう。このおかげで極端なEQではなく、自然なサウンドが得られる要因になっていると思います。

軽量でコンパクトながらとても頼りがいがあり、常にギグバックに忍ばせておきたいアイテムと言えます。


SPECIFICATIONS
■コントロール:ボリューム、ベース、ミッド、トレブル、ウルトラ・ロー・スイッチ、ウルトラ・ハイ・スイッチ、オン/オフ・スイッチ
■入出力端子:インプット、アウトプット
■電源:9VDCアダプター、9V電池(※別売り)
■外形寸法:66(W)×114(D)×56(H)mm
■重量:300g


SCRAMBLER Bass Overdrive
Ampegを象徴する歪みサウンド


 


本機の特徴と音作りのヒント

Ampeg のドライブ・サウンドと言えば「SCRAMBLER」。決して派手な歪みではありませんが、温かみのあるサウンドで、アンサンブルに溶け込むドライブ感が特徴です。本機のコントロールはシンプルな構成で、ドライブ、トレブル、ブレンド、ボリュームとなります。

◎「ドライブ」はオーバードライブ効果の深さを調節。右に回すと効果が深くなり、左に回すと浅くなります。
◎「ブレンド」はSCRAMBLERを通過した信号をクリーンな原音にブレンドする量を調節します。
◎「トレブル」は最大値で高音域を17dBブーストし、同時に4kHzを14dBカット、中央でフラット。
◎「ボリューム」は最終的な音量をコントロールします。


インプレッション

真空管をドライブさせたような、ミッドやミッドハイが前面に出てくるAmpegらしい歪み。太くウォーミィなサウンドからドライブを増やせばゴリっとした感触が得られ、トレブルを上げればジャリっとした成分が前に出て、まるでSVTを弾いているような感覚が味わえます。


ブレンドの設定幅が絶妙で、原音に薄く足す程度の歪みから、SCRAMBLERサウンド全開までをナチュラルにコントロール可能。ドライブ0の状態でも軽く歪んだ感触で、クリーン・ブースターとしても活躍してくれそうです。なお、CLASSIC、SCRAMBLERともにトゥルー・バイパス仕様です。


SPECIFICATIONS
■コントロール:ボリューム、ドライブ、ブレンド、トレブル、オン/オフ・スイッチ
■入出力端子:インプット、アウトプット
■電源:9VDCアダプター、9V電池(※別売り)
■外形寸法:66(W)×114(D)×56(H)mm
■重量:300g


文・動画:川崎哲平


Profile
1980年福岡生まれ。中学3年からギターを始めるが高校3年でベースに転向。その後音楽専門学校に入学し、在学中より福岡でプロ活動開始。2005年からは活動拠点を関東に移し、フリーのベーシストとしてレコーディング、ツアー、ライブ・サポート、セッション、TV収録、CM録音などで活躍する。ポップスからインストゥルメンタルまで幅広いプレイ・スタイルを誇り、エレキベースのみならずコントラバスも操る。
◎YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC979oIYF0rH0x_XG0EfqO_A