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Ampeg Rocket Bassコンボ・シリーズを、ウエノコウジが全モデル弾いてみた!


2026.03.06

「アンプの音は大事で、俺の音の中には“Ampegの匂い”が含まれているんだ」

  

コンパクトなサイズとパワフルなサウンドに定評があるAmpeg Rocket Bassコンボ・シリーズのアンプを、日本のロックのボトムを支え続けるベーシスト:ウエノコウジ氏(the HIATUS/Radio Caroline etc)にチェックしてもらった。Ampegをこよなく愛するプレイヤーとしても知られるウエノ氏は、Rocket Bassコンボに何を感じたのか?ここではウエノ氏にシリーズの全5モデルをチェックしてもらい、その印象やサウンド・メイクについてお話を伺った。




●RB-108 シンプルなモデルだけど音は十分、機能面もいいね!

──まずはシリーズ最小のRB-108を弾いた印象を教えてください。
 家で弾くのに凄くいいよね。レコーディングでもいけると思うけど、このサイズだとやっぱり家用かな。30Wといっても結構大きな音が出るから、ヘッドフォン端子があるのもありがたいよ。

──ウエノさんの試奏を聴いているとサイズ感以上の音に感じます。
 そうだね。価格も抑えられているんでしょ? それでこの音は十分だよ。

──シンプルなモデルですが、機能面はいかがですか?
 このモデルは、−15dBインプットがあるのがいいんだよ。音量を上げるとピークが気になるアンプってあるんだけど、これは−15dB入力を押さえてくれるから余裕を持ってノブを触れるんだよね。オーバードライブは、粒子が細かい歪みだね。わかりやすく歪むのがいいよ。これだけ歪めばかなり楽しめると思うよ。

●RB-110 筋トレにならんくらい軽い(笑)。軽い歪みも気持ちいいよ!

──このモデルを弾いてみた印象を教えてください。
 さっきのモデルよりもスピーカーが10インチに大きくなっていて、ちゃんと鳴ってくれている感じがする。これも、基本的には家用かな。ただ、実は全モデル中で1番これが軽いんだよね。実際に持ってみてもむちゃくちゃ軽くて、筋トレにもならんくらい(笑)。だから、持ち運ぶのにもいいと思う。

──試奏の時のセッティングは、どんな感じですか?
 ほとんど12時方向だよ。スピーカーが10インチなのでBASSコントロールだけ13時位まで上げているけど。それで簡単にこのアンプらしい、Ampegの音がする。

──先ほどのRB-108のオーバードライブ(SGT回路)はオンかオフかの切り替えでしたが、このモデルからは独立したGritとレベル・コントロールが付いています。
 しっかりと、わかりやすく歪むオーバードライブだよね。このモデルからはコントロールが細かくできるので、匂いみたいなほんの軽い歪みも作れるから気持ちいいよ。

●RB-112 レコーディングも余裕!ウルトラ・ハイの素直な効きがありがたい!

──RB-112はいかがでしたか?
 この機種は12インチのスピーカーが一発なんだけど、この大きさになるともう家用って感じじゃないよね。このくらいしっかりローが出て音量もあれば、レコーディングでも余裕でしょ。カフェとか小さいライブハウスなんかで弾くときにも、しっかりした音で演奏できるよ。

──このモデルは100W出力です。
 家で弾いたら怒られる(笑)。でもヘッドフォン端子があるのはありがたいよね。

──Ampeg独自のウルトラ・ハイ/ウルトラ・ローのスイッチを搭載しているのも、このモデル以上の仕様になります。
 俺はウルトラ・ハイを入れるんだよ、ゴリッとした感じが出るので。ウルトラ・ローは、俺はあまり入れないけど入れるとイナタイ感じになる。まぁ、ベース本体との相性にもよると思うけど、とにかくウルトラ・ハイ/ウルトラ・ローは凄く素直に効いてくれるんで、ありがたいよね。

●RB-115 これ、好きです。やっぱり15インチは最高!

──このモデルの印象は?
 このモデル、好きです! 俺はアンペグを何台か持っていて、B-15というモデルも持っているんだけど、それも15インチのスピーカーが一発だからやっぱり15インチが好きなんだよね。弾いていて気持ちがいいし、ちゃんとローを受け止めてくれる。カッとピッキングするとカッと音が出てくるし、素直なんだよね。15インチはマイキングがしやすいのもいいんだよ。出力的にも、これなら小さいライブハウスは余裕!

──外部スピーカーを足して、さらに音量を稼ぐこともできます。
 ああ、それいいんじゃない? これにもう一つ15インチのキャビネットを足すのは、俺もやってみたい!

──それと、このモデルもやはり軽量なところもポイントになっています。
 軽いよね!これなら一人で楽に運搬できる。ライブハウスに持って行くのも余裕でしょ!

●RB-210 ライブホールでも余裕! 高域の鳴りを調整できるツイーターも便利!

──このアンプの印象を教えてください。
 これもいいね。音が前に飛ぶ! 出力は10インチが2発で500W、十分過ぎますね。2000〜3000人規模のライブホールでも余裕でしょ。

──このモデルには高域をクリアに再生するツイーターが付いていて、それをオフにすることも可能です。
 ツイーターをオフにするかしないかで、音が結構違うんだよね。やっぱり会場によって鳴りが違ったりもするから「もっとバキッと来て欲しい」というような時に足してみるといいかもしれない。便利だよね。

──歪みの量はどうですか?
 十分、十分。かなり深く感じるよ。12時方向でもしっかり歪むし、聴いていて「フルかな?」くらいの歪みの音が15時方向で出せる。音量も凄くて、下手したら歌っている人に怒られるよ(笑)。このモデルも外部スピーカーを繋げるみたいだけど、これなら要らないでしょ!

Rocket Bassシリーズには、Ampegらしい匂いがある。いろいろ弾いて「自分の好き」を探してほしい!

──Rocket Bassシリーズを通して弾いた感想を教えてください。
 俺が普段弾いているAmpegのアンプは真空管のモデルで、今日弾いたのはソリッドステートのアンプなんだけど、やっぱりAmpegらしい匂いがあるなと感じました。それは独特の湿り気や、深さとかなんだけど……。俺はそれが好きでいつもAmpegを使っていて、このシリーズにもそれを感じる。その上でいいのは、ソリッドステートだから真空管ほどデリケートじゃなくて、壊れにくいこと。メンテナンスも楽でありがたいよね。で、シリーズには家弾きにちょうどいいモデルから大きな場所でも使えるモデルまでいろいろと揃っているので、自分に合うものを見つけてほしい。俺は15インチのモデルが好きだけど、絶対に10インチ2発の方が好きな人もいると思うし、好みの問題だから。1回弾いてみて、「自分の好き」を見つけてもらえたらなと思います。

──最近はシミュレーターも盛んですが、今、アンプを所有するメリットとは?
 アンプを持っていると、どこに行っても自分の好きを活かせるんだよ。俺はシミュレーターのレコーディングは断るようにしてるし、音は空気の振動なんで、それが好きでやってるからさ。賛同していただける方は、Ampegのアンプに触れてこの気持ち良さを体感してみて欲しい。

──ウエノさんの音に憧れている人に、一言お願いします。
 まぁ、アンプにぶっ込んでバンとやればドライブするんで、俺のやり方は真似しない方がいいと思うけど(笑)。でもベーシストが100人いれば100人の音があるよね。

──そのウエノさんの音の秘密は、ゴリッとしたピッキングに加えてAmpegらしい音のニュアンスも関係しているのでは?
 もちろん! アンプの音は大事で、俺の音の中にはAmpegの匂いも含まれると思う。だからもし俺の音が好きだったら、Ampegを弾いてみるといいと思うよ。もちろん全く同じ音は出ないと思うし、音は一人ひとり違うんだけど、それがいいんだよ。Ampegを試して、その匂いをぜひ感じてもらいたいね。

ウエノコウジ プロフィール
広島県出身。1991年から2003年まで、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのベーシストとして活動。現在はthe HIATUS、Radio Caroline等のメンバーとして活動しながら、アーティストのサポートも行なっている。ゴリッとした独自のサウンドで日本のロックのボトムを支え続ける名手であり、Ampeg好きとしても知られている。

オフィシャルInstagram:https://www.instagram.com/ueno_koji_0327/

■本記事で紹介している製品:Ampeg Rocket Bassシリーズ


取材=井戸沼尚也
動画撮影・編集=熊谷和樹
録音=嵩井翔平
写真=鈴木千佳 *アーティスト写真を除く