アーティスト

Rocket Bassコンボ・シリーズ×村上啓太(在日ファンク)
~試奏インプレッション


2025.03.27

「エレキ・ベースはアンプがあってこその楽器。軽くて音の良いRocket Bassコンボを手に入れて、“自分の音”を持ち運んでください!」

  

日本に在りながらディープ・ファンクの再認識に取り組むバンド、在日ファンク。バンドの低域を担っているのはベーシストの村上啓太氏だ。グルーヴにこだわる村上氏の目と耳に、コンパクトで在りながらパワフルなサウンドを持つRocket Bassコンボ・シリーズのアンプはどのように映るのか。自宅やレコーディングでAmpegを愛用しているという村上氏に、Rocket Bassコンボ・シリーズの5モデルをチェックしてもらい、その印象や音作りについて訊いた。





RB-108──コンパクトながらクリアで力強いサウンド

──RB-108の印象はいかがですか?
 強めのタッチで弾いても、クリアな音がしっかりと出てくれますね。8インチのスピーカーを一発搭載したコンパクトなアンプですが、とても力強い印象です。セッティングはMIDとTREBLEは12時方向で、BASSは13時方向で少しだけ上げて、すぐに良い音になりました。

──機能面について感じたことを教えてください。
 本格的な3バンドのEQが付いているので、音作りがしやすいですね。アクティブのベースに対応した−15dbのインプットもありますし、AUXイン、ヘッドフォン・アウトもあるので、かなり使い勝手が良いと思います。それからSGTオーバードライブはボタン一つで歪みが作れて操作がわかりやすいし、歪み具合もちょうどいいと思います。

──このモデルはどんなシーンで使うのがお勧めですか?
 やっぱり、自宅での練習や宅録に良さそうですよね。ヘッドフォン・アウトを使った夜の練習にも向いていると思います。

RB-110──シリーズ中で最も軽くライブに持ち出してほしい

──このモデルを弾いてみた印象を教えてください。
 RB-108と比較するとスピーカーの口径が10インチに大きくなっている分、ミッドとハイがはっきりしていますね。EQはTREBLEを14時方向、他は13時方向にして、よりこのアンプの個性のハイとミッドをしっかり感じられるようにセッティングして弾いてみました。

──このアンプにもSuper Grit Technologyオーバードライブを搭載していますが、RB-108以外はGRITとLEVELをノブで調整が可能です。
 そこもこのアンプの特徴ですね。歪みの深さを調整できるので、軽い歪みや深い歪みを好みに応じて作ることができます。RB-108のボタン一つで設定できるわかりやすさも良いですが、より細く歪みを作りたい人にはこちらが良いと思います。それと機能面では、背面にXLRダイレクト・アウトがあるので自宅の録音でも使いやすそうだなと思いました。

──RB-110はどのようなシチュエーションで使うと良いと思いますか?
 実はこのモデルがシリーズ中で最も軽いそうなんですが、実際に手にしてみると本当に驚くほど軽いです! よりコンパクトなRB-108より軽いのは、このモデルからキャビネットの素材のグレードが上がることが関係しているみたいですね。自宅練習にもいいですが、ぜひライブにも持ち出してもらいたいモデルです。

RB-112──個人的に最も好きな12インチ一発のモデル

──RB-112の印象を教えてください。
 個人的には12インチが一番好きな口径なんです。家でも、前の機種ですがAmpeg BA-112という12インチのコンボを使っていまして、馴染みのある音ですね。このモデルはBA-112よりEQの効きがいいし、パワー感も強くなっていますね。今回の試奏ではBASSを11時方向、MIDが13時、TREBLEは14時という感じで、スピーカーの個性を活かしつつ、より輪郭をはっきりさせる音作りをしました。

──機能面について感じたことを教えてください。
 このモデルにはULTRA HI/ULTRA LOのスイッチが付いていて、より低い帯域や、より高い帯域を強調することができるようになっていますね。例えばアンサンブルの中で音が抜けにくい時に、ULTRA HIのスイッチを入れると音がはっきりしてくると思います。逆にアンサンブルの中でもっとどっしりさせたい時には、ULTRA LOを入れるのがお勧めです。また、エフェクト・ループを搭載しているのは使い勝手が良さそうだなと思いました。それと、シリーズの中でスピーカーが大きくなってくるにつれて、当然アンプのサイズも大きくなってくるわけですが、それでもすごく軽いですね。ぜひライブでも使ってみてほしいですね。

RB-115──15インチらしいふくよかで懐の深いアンプ

──どのようなセッティングがお好みですか?
 EQはすべて13時くらいですね。ボリュームも、12時過ぎ、13時寄りにしています。RB-112と比べてもよりふくよかで、懐の深いアンプだと思います。RB-112の輪郭がはっきりした音は個人的には好みなのですが、よりどっしりした音を出したい時にはこちらですね。迫力を感じますし、そういう時に使いたいアンプです。

──村上さんはB-15もお使いだそうですが、同じ15インチという点で比べるといかがですか?
 僕はレコーディングでB-15を使うことが多いのですが、近い感覚がありますね。もちろんビンテージのチューブ・アンプとは異なりますが、15インチ一発の共通点があるというか、レコーディングで拾える音の範囲が広い印象です。ベースそのものの音を、良い形で録音できるアンプですよね。小さく弾けば小さいレスポンスが、強めのタッチで弾けば強いレスポンスが得られてダイナミクスが作りやすいですし、ノリが作りやすいです。

──機能面はいかがでしょうか?
 このモデルのULTRA LOは、よりローらしい帯域が広がりますね。ULTRA HIも同じく、よりハイらしい印象です。あとは出力が200Wあるので、ライブの会場に合わせた対応ができますし、外部スピーカー・アウトでキャビネットを拡張することもできるので、より大きな会場でも使えそうです。

RB-210──場所を選ばず使えるアンプ

──シリーズ最大モデルとなるRB-210の印象を教えてください。
 10インチが2発、このサイズでコンボ・アンプというのはもしかしたら珍しいかもしれませんね。音が強くて、しっかりした会場で使うのに良さそうです。セッティングは、BASSとMIDが13時くらい、TREBLEが14時くらい、ボリュームは12時くらいですがパワーがすごいです。このくらいの設定で、結構な音量が出ます。

──SGTについては改めていかがですか?
 このオーバードライブ、使いやすいですね。レンジが広いせいか、歪みが苦しくならない感じ、気持ちのいい歪みがずっと続く感じがしました。スピーカーが二発で音が広がるからか、歪みの音も広がっていく感じです。歪みにも深みを感じますね。

──シリーズ最大になりますが、サイズ感をどう受け止めましたか?
 このアンプは500W出力ということですが、非常に軽くて見た目から考えられない軽さですね。パワフルなコンボ・アンプですが、持ち運びが可能なところが特徴ですよね。いい音で、軽くて、高性能なアンプですよね。

Rocket Bassシリーズは、Ampegらしい音がより使いやすくなった印象

──最後に、Rocket Bassシリーズ全モデルを弾いた感想を教えてください。
 Rocket Bassシリーズは、現代的なプレイに対応する内容になっている一方で、歴史のあるAmpegの音が継承されていると感じました。やはりエレキ・ベースはアンプがあってこその楽器なので、ベース本体と同じくアンプがとても重要です。自分のアンプを持っていけば、「自分の音」になるというのが持論なのですが、その時に問題になるのが重さです。アンプといえば重い印象があるかもしれませんが、Rocket Bassシリーズはどれもびっくりするくらい軽いですよ。ぜひ好みのモデルを手に入れて、「自分の音」を持ち歩いてみてください。


本記事で紹介している製品: Ampeg Rocket Bassシリーズ


村上啓太

村上啓太(むらかみけいた)プロフィール
1981年生まれ。神奈川県出身。幼少期に両親の影響でポピュラー音楽を聴き始め、高校時代にエレキ・ベースの演奏を始める。2006年に明治学院大学の所属サークル内で結成した3ピースバンド、Muddy Worldの1stアルバム「Finery of the Storm」を制作。ミックスダウンにビル・ラズウェルを迎え、ジョン・ゾーン主宰のレーベル「Tzadik」からリリース。2008年頃からは、高校時代から共にブラックミュージックのカバーに勤しんでいた浜野謙太と在日ファンクの活動を本格化。2010年に在日ファンクのデビュー・アルバムをリリースし、以後、数々の音源のリリース、国内外でのツアーを行い、フェスにも多数参加。他にもテレビ、舞台、CMなど幅広く活躍している。

アーティストオフィシャルウェブ https://zainichifunk.com/
オフィシャルSNS https://x.com/ZAINICHI_FUNK


取材=井戸沼尚也
動画撮影・編集=熊谷和樹
録音=嵩井翔平
写真=星野俊